不確定日記(黴と向き合う)

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不確定日記

日曜日、晴れたので掃除をした。明るい昼間に掃除をしないと、薄暗さに汚れが馴染んでしまってあまりよく見えない。こういうのも鳥目の一種なのだろうか。晴れている日に見ると埃や黴の多さに驚く。雨が続いたので、街路樹の緑は濃くなり我が家の風呂の黒カビも広がる。とりあえずシャンプーや入浴剤などを風呂場の外に避け、窓を開けてマスクとメガネと手袋を装着してカビ取り剤を、と思ったらボトルにちょっとしか残っていなかったので、手袋だけ外して薬局に行って帰ってきてまた手袋をした。タイルの目地という目地、浴槽とタイルの隙間、配管の向こうなど、とにかくカビ取り剤を吹き付け、泡が消えるまで待つ。洗い流して、凸凹の多い物やプラスチックのスノコはブラシで擦る。黒いものが残っているのを発見するとまた材を噴霧。繰り返しているうちに船酔いのようになった。コーヒーを淹れたが鼻の奥にツンとした臭いが残って飲んではいけない物のような気がしてしまう。さらにまた少し掃除を続け、夕刻にはぐったりしていた。
今週は先週より雨が少ないらしいが、またすぐ梅雨に入るだろう。むくむくと広がってたくさんの腕を広げてゆく黴の胞子を想像する。私はまた容赦無くカビ取り剤を撒いては生命力になんだか負けた気がして夕方にちょっと寝るだろう。

目地