不確定日記(赤い水分)

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午前中に赤紫蘇を塩で揉んだ。笊に2杯ほどもあった葉は乾かしてまとめると片手で掴めるほどになる。塩をまぶしてぎゅうぎゅう押すと泡立った青紫のアクがたくさん出る。渾身の力で絞ったが、私はぎゅっと絞ったりきちっと縛ったりが苦手なので、アクは出し切れていないかもしれないなと思いながら赤黒い葉の塊に梅から出た酢をかけると汁は透明な赤に染まる。それらをすべて梅の容器に入れ、重石と蓋をして梅雨明けを待つ。今日は雨は降っていなかった。

 午後、二週間ぶり二度目の抜歯の予定が入っているので、部屋をなるべく清潔にした。少し先の自分が不快にならないようにしよう、と思えるようになったのはわりと最近になってからだ。買い替えた掃除機はコードレスで軽いが、排気音は威勢がいい。音だけ聞くと吹き飛ばしているみたいだけれどゴミを吸い込んでいる。シーツ一式も洗濯した。
 二度目だから、やはりちょっと慣れている。歯医者からの説明も前回より簡単だ。前回は右側の上下で今回は左側。歯科医師は右側にいるので、左側の歯を抜くときには私の胸の上を医師の体が横切る形になり、視界が狭まって前回よりも不安感が少なかった。それでも麻酔注射の後、自分の鼓動が速くなっていることに気づいた。抜歯自体は前回同様あっけなかった。「もうわかっているよね」というお互いの油断からか、今回は抜いた歯を貰って帰るのを忘れた。抜いた歯には両方とも銀の詰め物があった。
 スーパーマーケットに寄って豆腐、ヨーグルト、アボカド、ジャガイモ、アイスクリーム、鶏ひき肉、シュークリームを買って帰る。柔らかい食べ物は全体的に白くてもやっとしている。帰宅してマスクを取ったら口の端に血が垂れている。麻酔が効いているので感覚はない。怪物感があって渋いな、と思ったが人に見せたい姿でもなかった。前回より少し血が止まりづらい感じがあり、ずっと口の中に鉄分の味がしている。梅干の容器を開けてみたら、梅酢は思ったよりも激しく赤く色づいていた。夕方ごろ押されるような痛みを感じて薬を飲んだ。

もうおいしそう